わたしは学生時代に数ヶ月ほどオーストラリアに滞在していました。
それまでほんの数日のアメリカ旅行経験があっただけで、外国で暮らすことは初めて。日常的に英語を使う環境に身をおくことにワクワクしつつも不安もありました。
多くの人がそうであるように、わたしも1ヶ月ほどながら語学学校に通ったのですが、在籍したクラスは20人ほどで韓国人が2分の1、台湾人とスイス人、そして日本人で残り2分の1、という構成です。
滞在したシドニーは語学学校が至る所にあり、想像以上に日本人も多く、あるカフェには現地人より日本人が目についたほど。その気になれば日本語だけで生活することもそれほど難しくないほどでした。
オーストラリア滞在の目的はそれぞれですが、語学を学ぶために滞在しているにもかかわらずその日本人在校生の多さから日本人とばかり過ごし日本語ばかり使い、結局語学は身につかないというケースが少なくないようです。実際に現地でもほんとにたくさんの日本人グループを見ました。
学校側もそういった状況を知ってか、「せめて学校に滞在中は同じ国の生徒同士でも英語を話すように」と指示を出していましたが、授業が終わればクラスメイトは同じ国の出身者なら母国語で話していました。
そんな環境にあって幸いだったのは、クラスに日本人がわたしのほかに1人だけだったこと。そして彼がわたしと英語で話してくれたことです。
彼も英語力を高めるためにオーストラリアに来ていたこともあり、わたしの「英語で話したい」という意思を尊重してくれ、1ヶ月の在籍中はずっと英語で話してくれました。しかも学校を離れた間も!
彼とは学校外でも過ごす時間がありましたが常に英語を使っていたので日本語を使う機会はほとんどなく、この間にわたしの英語力はものすごく伸びたと思います。
結局、彼と日本語で会話したのは語学学校を終えてから。最初こそ日本語での会話にやや違和感を感じましたがすぐに慣れ、10年以上過ぎた今でも付き合いがある仲です。
彼は世界を周る旅を経て、今では外国人が多く集まる街でバーを経営していますが、彼は日本人はもちろん外国人にも人気者です。彼は自己をしっかり持っていて、人の話を聞かないこともありますが相手を否定することはありません。彼が人種を問わず周りに人が絶えないのはそんなところに理由がある気がします。
日本人がコミュニケーションが下手だと思われるのは、自己主張が下手というより「相手を尊重すること」と「相手に合わせてしまうこと」が区別できていないせいかもしれません。
2014.01.28文化

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